稿 男性アレルギー令嬢とオネエ皇太子の偽装結婚 ~なぜか溺愛されています~

 ローレル様や他のもっと相応しい人がいる。ローレル様なら……エミリーの事情を知ってもきっと悪いようにはしないはずだ。
 ううん、でも、もしかしたらローレル様は事情を聞いたらエミリーとは婚約したいと思わないかもしれない。
 ……もし、そうなら……。エミリーが他の誰とも婚約しないのなら、私なんかでも。
 ハッと、して頭を振る。
 まただ。また、私なんかでもって。
 エミリーやローレル様が恥ずかしくないように成長するんだ。友達として見捨てられないように。呆れられないように。
 公爵令嬢ということを公表して、お茶会やら舞踏会やら開くようになれば、皇太子だって招ける。秘密裏にという形にしたっていい。
 表立って女性を紹介するためという理由にして、影で二人で合うことだってできるようになるはずだ。
 ああ、そうだ。お兄様に協力してもらうこともできるかもしれない。皇太子とお兄様に交流はもちろんあるから。
 大丈夫。
 偽装の婚約なんてしなくたって、私とエミリーは友達でい続けられる。会える。
 まずは、そう。きっと、戦争が終われば祝勝会が王宮主催で開かれるはずだ。公爵令嬢リリーシェンヌとして、正面からエミリーに会いに行こう。
 エミリーは驚くかな。ああ、そうだ。手紙を書いて持って行くのはどうだろう。通常のルートで出した手紙では、誰かのチェックが入るだろう。だけれど、直接手渡したものは、エミリーしか見ないはずだ。どうせなら、めいっぱい可愛い手紙にしよう。
 私の趣味だということで、いくらだって可愛くしたって、エミリーが手にしていても不審がられるようなことはないだろうし。
 ああ、でも万が一誰かの目に触れることを考えた内容にしなければ行けないわよね。

「大した戦争にはならないという話でしたが……それでも戦争が終わったら色々あるでしょうね……」