稿 男性アレルギー令嬢とオネエ皇太子の偽装結婚 ~なぜか溺愛されています~

 私なんて、男性アレルギーがあるから、あれも、これも、それも、できない、無理、役立たずだと思っていたけれど。
 もしかしたら、そうじゃないのかもしれない。
 私に何ができるのか。
 私にしかできないことがあるかもしれない。
 私には、もっと、もっと、色んな事が出来る。

 その日の夜は、布団の中に入るとワクワクが止まらなかった。
 何をしよう。何ができるか。
 ファッションリーダーとして活躍するのもいいかもしれない。
 かかとが20センチある靴……。そうだ。女性たちと話をすれば、何か困っていることを知ることができるかもしれない。それを解決できたらいいのに。コルセットが苦しいのは何とかしてあげたい。ウエスト部分に大きな飾りがつくようなデザインのものはどうだろう。
 腰ではなく胸のすぐ下からスカートが広がるようなデザインは?うーん、想像があまりできない。
 デザインセンスがあるわけじゃないのよね。こういうのはできないのかと言うと、仕立屋の優秀なデザイナーさんがぱぱぱっといくつもデザインを考えてくれるの。
 だから、まぁ、私の手柄というにはおこがましいんだけれど。

 他には何ができるかな。
 そうだ。アンナ様はお菓子を作って孤児院へ顔を出していると言っていた。私も連れてってももらえないかな。
 孤児院には男の子もいるだろう。子供なら大丈夫だろうか?そんなことも自分のことなのに知らない。
 ああでも、孤児院に行ってどうするの?寄付をする?でも、そのお金も結局はお父様の物だ。
 私が何かしてあげられることはないの?
 アンナ様と一緒にお菓子を作らせてもらう?……ああ、ダメ。それは手伝わせてもらうだけだもの。もしかしたら逆に足手まといになって邪魔になってしまうかもしれない。
 私にできることを考えなくちゃ。
 エミリーとの婚約の話は、無かったことにしてもらおう。