稿 男性アレルギー令嬢とオネエ皇太子の偽装結婚 ~なぜか溺愛されています~

「あら、でも私はリリー様のような方が殿下の隣に並んだ姿を見てみたいわ。小柄で可憐な姫とそれを守る騎士みたいで素敵だと思いますわ」
 ローレル様の言葉に、きゃぁっとアンナ様とハンナ様が黄色い声を上げる。
「それも素敵です!確かに、確かに!」
「騎士に守られる可憐な姫!ああああ、リリー様と殿下の並んだ姿も見たいですぅ!」
 きゃっきゃとはしゃぐアンナ様とハンナ様とは対称的に、私の声は沈んでいく。
「守られる……姫……」
 その通りだ。
 私は、お父様に、お兄様に守られて今まで生きてきた。
 これからだって、大丈夫だよ、ずっと家にいれば……とお父様は言う。これから先も守られるだけの人生なの?
 迷惑はかけられないと、修道院へ行こうと思ったけれど、結局私は「修道院という場」に守られるようになるだけなんじゃないの?
 貴族令嬢として生まれた務めを何一つできず、お荷物なだけの私……。
「守られるだけの……」
 私の落ち込む声に、ローレル様がそっと肩に手を乗せた。
「リリー様、姫は騎士に守られるだけじゃないんですよ。姫は守られ、そして支えるんです」
「え?」

「どうしたって、女性は剣を持っても男にはかないません。だけど、自分は弱い、戦えないなんて落ち込無必要なんてないでしょう?守ってもらえばいいんです。代わりに心を、生活を支えるのという大切な役割が姫にはありますからね」
 ローレル様の言葉を頭の中で反芻する。
 姫の役割。
 守られていたって、大切な役割がある。
 私は?
 私にも、役割はあるの?
 心臓がギリギリと痛む。
「だから、守られる姫にみえるというのは、馬鹿にした意味は全くないんです。リリー様が思わず守りたくなるほど可愛らしいと、褒めてるんですよ?」
 ローレル様の言葉に、笑顔を返す。