稿 男性アレルギー令嬢とオネエ皇太子の偽装結婚 ~なぜか溺愛されています~

「立場を利用して女性を何人も泣かせているという噂だけれど、ああいう女を思い通りにしようとするような卑劣なやつが特に背が高い女はダメだとかうるさいのよね」
 ローレル様がいつもの自信に満ちた顔に戻った。
「大人しくて、力が弱くて、立場も弱くて、上から押さえつけることができるよなか弱い女の子ばかりを狙っているわね。女性は口答えするのは生意気だ、剣を持つなどありえない、立場が上だとそれをかさに着てろくでもない、背が高いと可愛げがない……なんて、男の都合のいい女像を押し付けられてただけなのね……あー。私も情けない。背が高いくらいで女性として馬鹿にするような男なんて私の方から願え下げよ。はぁー。領地に戻ったら、靴を注文するわ」
「わっ、私も、靴を注文しますっ!」

「え?」
「背が高い女性も可愛いんだって、皆に認めさせます。それから背が低いということで嫌な思いをしている人たちを助けたい……」
 もしかすると、男性アレルギーは無くても、男性に体を触られたり、どこかへ連れ込まれそうになったりと、嫌な思いをしている令嬢がいるかもしれない。ローレル様は、そういった方に「私の名前を出しなさい」と助けの手を差し伸べていた。
 私だって、一人でも嫌な思いをする女性を減らしたい。もし、小柄だから侮られている人がいるならば……。
「かかとが20センチくらいある靴を作ろうと思います」
 今の主流はかかとが5センチほどだ。平均的な女性の身長160センチが165センチになる。平均的な男性の身長が175センチだから、10センチほどの身長差となる。
 ローレル様は、かかとの無い靴を履いていても170センチほどあったんじゃないだろうか。ヒールを履くと175センチ。男性よりも高くなってしまうことがあるだろう。
「に、二十センチ?リリー様、本気ですか?歩けますか?踊れますか?」
 うっ。流石に無理かしら。