エカテリーゼ様には仮病だと言われてしまったけれど……むしろ、仮病だと思われるくらいの方がいいのかもしれない。
男性アレルギーで、男の人が近づくだけで咳き込んだり倒れたりする人間など、なぜ舞踏会に来たのかと。邪魔だから来るなと言われても仕方がない。せっかくの場所で倒れる人間がいたら、場がしらけてしまうだろう。本当に迷惑な……。
「馬鹿ねぇ。リリー様は。私は少しも迷惑だなんて思ってないわよ。それどころか、とても救われているわ」
え?救われている?
「似合いもしないオレンジのドレスを着る苦痛から救われた。皇太子妃の座を求めて参加するだけの退屈な舞踏会から救われた」
「え?」
「リリー様にお会いできるのも楽しみの一つになっていたのですわ」
「耳元で楽しそうなローレル様の声が弾む」
「わ、私も、あの、ローレル様にお会いするのが楽しみでしたっ!」
■
もちろんエイミーに会いたいと思っていたのも本当のことだけれど。学園にも通ってなくて友達のいなかった私は、エイミーだけじゃなくてローレル様やアンナ様やハンナ様と会えるのも楽しみで……
「ふふ、ありがとう。それにね、アンナやハンナは特に、リリー様に救われたのよ?」
「私、何もしていませんけど?」
ローレル様が私の顔を覗き込んだ。
抱きしめられていた体が離れたことが少し寂しい。……ああ、そう。私のことを思って抱きしめてくれる人がいたことが嬉しい。
「本当に、リリー様はもう少し自分に自信を持った方がいいと思うわ。ブーケ・ド・コサージュ。あれのおかげで、ドレスを頻繁に新調できないご令嬢がどれほど助かったのか。アンナとハンナも、早速ブーケ・ド・コサージュのとりこよ」
「あれは、ローレル様が、ドレスをリメイクすればいいと言ってくださったおかげで」
ふっとローレル様が笑った。
男性アレルギーで、男の人が近づくだけで咳き込んだり倒れたりする人間など、なぜ舞踏会に来たのかと。邪魔だから来るなと言われても仕方がない。せっかくの場所で倒れる人間がいたら、場がしらけてしまうだろう。本当に迷惑な……。
「馬鹿ねぇ。リリー様は。私は少しも迷惑だなんて思ってないわよ。それどころか、とても救われているわ」
え?救われている?
「似合いもしないオレンジのドレスを着る苦痛から救われた。皇太子妃の座を求めて参加するだけの退屈な舞踏会から救われた」
「え?」
「リリー様にお会いできるのも楽しみの一つになっていたのですわ」
「耳元で楽しそうなローレル様の声が弾む」
「わ、私も、あの、ローレル様にお会いするのが楽しみでしたっ!」
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もちろんエイミーに会いたいと思っていたのも本当のことだけれど。学園にも通ってなくて友達のいなかった私は、エイミーだけじゃなくてローレル様やアンナ様やハンナ様と会えるのも楽しみで……
「ふふ、ありがとう。それにね、アンナやハンナは特に、リリー様に救われたのよ?」
「私、何もしていませんけど?」
ローレル様が私の顔を覗き込んだ。
抱きしめられていた体が離れたことが少し寂しい。……ああ、そう。私のことを思って抱きしめてくれる人がいたことが嬉しい。
「本当に、リリー様はもう少し自分に自信を持った方がいいと思うわ。ブーケ・ド・コサージュ。あれのおかげで、ドレスを頻繁に新調できないご令嬢がどれほど助かったのか。アンナとハンナも、早速ブーケ・ド・コサージュのとりこよ」
「あれは、ローレル様が、ドレスをリメイクすればいいと言ってくださったおかげで」
ふっとローレル様が笑った。

