表情を硬くした私を見て、デザイナーがハッと口を押えた。
「もしかして、リリー様はご存知なかったのですか……?申し訳ありません、余計な話を……その……」
「余計ではないわ。あなたが知っている話を、公爵令嬢である私が知らないのは恥ずかしいと思っただけよ。その、どういうことか教えていただけるかしら?」
特定の……私が出席する可能性がある舞踏会の話なのかしら。
ロイホール公爵家の舞踏会だけが中止?だとしたら、エミリーを探して別の舞踏会へ……。そう、ピンクのフリフリリボンのドレスを着て参加しようかしら。
そうすれば、悪評として噂が広まるんじゃないかしら?
ピンクの子供みたいなダサいドレスを着た女性が舞踏会に現れた……と。
噂がエミリーの耳に入れば、きっとまた会える……。
会えるよね……?
「……北の国との戦争がはじまると。そのため、舞踏会は戦争が終わるまでは自粛させると王妃様が……」
え?
戦争?
北の国と戦争?
そんな話は聞いていない。
「あ、ああ、そうなの、ついに……始まるのね……」
上の空で、適当にデザイナーに答える。
嘘だ。戦争なんて。
急に色々なパーツが一つのこととして当てはまった。
「残念だけれど仕方がないわ。また落ち着いたらお願いするわね」
仕立屋を返すと、メイにお茶を頼む。
落ち着かなくちゃ。
戦争……。北の国と。
ずっと宰相であるお父様が忙しく働いていたのはそのせいなのか。
夕食はいつも家族で取っていたのに、この頃は家に戻らない日が続いている。
大きな災害がどこかで起きたという話も聞かないのに、何がそんなに忙しいかと思ったら。
1カ月の領地行きをお兄様に任せたのも、お父様は王都を離れられなかったからなのか……。
そして、ジョージ様の言葉を思い出す。「次の戦争で武功を上げて爵位をいただく」……と。
■
「もしかして、リリー様はご存知なかったのですか……?申し訳ありません、余計な話を……その……」
「余計ではないわ。あなたが知っている話を、公爵令嬢である私が知らないのは恥ずかしいと思っただけよ。その、どういうことか教えていただけるかしら?」
特定の……私が出席する可能性がある舞踏会の話なのかしら。
ロイホール公爵家の舞踏会だけが中止?だとしたら、エミリーを探して別の舞踏会へ……。そう、ピンクのフリフリリボンのドレスを着て参加しようかしら。
そうすれば、悪評として噂が広まるんじゃないかしら?
ピンクの子供みたいなダサいドレスを着た女性が舞踏会に現れた……と。
噂がエミリーの耳に入れば、きっとまた会える……。
会えるよね……?
「……北の国との戦争がはじまると。そのため、舞踏会は戦争が終わるまでは自粛させると王妃様が……」
え?
戦争?
北の国と戦争?
そんな話は聞いていない。
「あ、ああ、そうなの、ついに……始まるのね……」
上の空で、適当にデザイナーに答える。
嘘だ。戦争なんて。
急に色々なパーツが一つのこととして当てはまった。
「残念だけれど仕方がないわ。また落ち着いたらお願いするわね」
仕立屋を返すと、メイにお茶を頼む。
落ち着かなくちゃ。
戦争……。北の国と。
ずっと宰相であるお父様が忙しく働いていたのはそのせいなのか。
夕食はいつも家族で取っていたのに、この頃は家に戻らない日が続いている。
大きな災害がどこかで起きたという話も聞かないのに、何がそんなに忙しいかと思ったら。
1カ月の領地行きをお兄様に任せたのも、お父様は王都を離れられなかったからなのか……。
そして、ジョージ様の言葉を思い出す。「次の戦争で武功を上げて爵位をいただく」……と。
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