稿 男性アレルギー令嬢とオネエ皇太子の偽装結婚 ~なぜか溺愛されています~

 あまり派手ではなく、それでいてかわいい……。んー。
「あ、女性がドレスにつけるものと、男性用の小さなものの間くらいのサイズの物があるといいかもしれないわね」
 拳サイズくらいのものなら、さほど派手さはない。
「メイ、これくらいの大きさだったら、ドレスじゃない者にもつけられそうだし、髪飾りにもならないかしら?」
 拳を握りしめて大きさをメイに示しながら訪ねる。
「まぁ、素敵です!髪飾りにも使えるのはいいですね!普段気楽に使えそうですし、服と別の布で作られていても関係なくなりますね。それなら私にも手が出そうです」
 メイがニコニコと嬉しそうに笑っている。
 そうか。ドレスの付属品となれば、かなり値段もするものね。
 学園には制服もある。髪飾りということなら普段使いもできるだろうし、学園から告白アイテムとして流行らせようと思うとちょうどいいのかも。
 髪飾りなら、ローレル様にお礼の品として渡すことができる。本物の花にはない青い色の薔薇なんて素敵かもしれない。
「予定を聞いてちょうだい、仕立屋に、数日中に来られそうなら来てもらって」
 王妃様のドレス作りに忙しくなければ明日にでも来てもらえるかな、なんて。
 その時の私は、のんきに考えていた。


「流石ですわ。ファッションリーダーであるリリー様の頭の中はどうなっているのか……素晴らしいアイデアが次々と……」
 仕立屋に、髪飾りのアイデアを伝えると、感激の声を上げた。
 ……いや、ファッションリーダーではないんだけどなぁ。
 苦笑いすると、その表情を見たデザイナーが小さく頷いた。
「そうですわね、確かに残念ですわね。しばらくは舞踏会も行われなくて、発表の場がないのは……」
 は?
「舞踏会が……行われない……?」
 どういうこと?
 聞いてない。
 舞踏会がなくなってしまえば……。