「きょ、今日はどういう呼び出しなわけ?」


 というわけでやって来た占い師の女は、そわそわ、くねくねしながら言った。


「いや、近いなあなた」


 安見はぐんぐん距離を詰めてくる占い師から徐々に後退する。恋情だけは読み取れない安見には、彼女の意図が理解できないのである。

 一方占い師は下心丸出しである。いつもの真っ黒で肌の露出が少ない衣装を脱ぎ捨て、なんとオフショルダーにフレアスカートといういで立ちだ。占い師というよりは、どこにでもいるきれいなお姉さんだ。


「どういう呼び出しっていうか、あれを見てほしいんですけど」


 占い師は思わずげ、と声を上げた。

 先日とはうって変わって、派手な仕立てのスーツを着た強面の大男が、スーツに合わない店のエプロンをしてレジ前に座っていたからだ。言うまでもなく、それが今の大滝である。