理屈では考えられないことが次々と起こるので、ここにいたってようやく、土地の調査なりなんなりしてみようかな、と大滝は重い腰を上げた。

 で、呼ばれたのが大滝の祖父繋がりの探偵だったのだが、これが大変頼りない。


「いろいろ聞き込みとかしてみたんですけど、この辺、最近来た人ばっかだし、なんか怖い人多いし、ちょっとよくわかんないんですよね」


 それはお前が聞き込みをさぼっているだけだろう、とこの辺の怖い人の代表格である大滝は思う。

 探偵は若く、伏し目がちで猫背。いかにも人に話しかけるのが得意ではないという風だが、なぜ探偵になったのだろうか。職業は吟味して選ぶべきだが、しかしそんな自分は自分で進路を決めたことがないしな、とも大滝は思う。