ただ単に、祖父が鬼の面愛好家だっただけかもしれない。祖父のアンテナが何に反応するのかは、大滝にはあずかり知らぬところだった。

 安見に断られたし岩野に頼んでみてはどうだろう、と思った大滝は岩野に依頼することにした。


「できました!」

「これはひどい」


 岩野はぬいぐるみやマネキンなどにお面を被せ、魔法少女アニメのステッキや木刀を持たせていた。


「鬼レンジャーです」

「統一感がない。見ていると具合が悪くなってくる」


 安見の評価は惨憺たるものだったし、大滝もこれには異議なかった。

 それではどうしようということになったが、安見はまあだったら一番最初が一番ましでしたよ、と妥協案を出した。

 かくして鬼の面コーナーは元に戻った。

 正確に言えば、やや順番が変わっていたのだが。