大滝は同窓会に誘われて、特に用事もなく断った。正直誰とも仲良くないから誘わないでほしいのだが、地元にいる上に実家が太い大滝は居場所が割れていて、一応連絡だけは来てしまう。

 俺なんぞ呼んでどうするのだ、と大滝は思う。実家がでかいから、金を貸してくれとか言い出すやつはちらほらいるかもしれないが。

「同窓会ってやばいですよね」

 いつの間にか、大滝の後ろに安見が立っていた。

「怖くて行けないです」

 安見の場合だとどうなるのだろう、と大滝は想像する。好きだった女子が話しかけたりしてきても、『宗教に勧誘するわよ、ウフフ』とか、そういう目的が見えてしまうという感じだろうか。

「いや、そもそも好きだった女子とかいませんよ。大体怖いかキモいしか思われてませんでしたし」

「そうか……勝手に想像して悪かったな」

「いいえ」