さぁ、長い長い物語がもうすぐ終わります。
いや、
終わらせます。

私には才能がなかった
何もできないわけじゃないけど
自分は劣等だと
突出した才能はない
何にも恵まれなかった
努力という苦痛を
才のあるものよりも多く課せられたんだ
前世は悪人だったんだきっと
毎回思ってしまう
そんなことわかっているのに
いちいち思ってしまう
友人を見るたび
空を見上げるたび
夢を見るたび
あぁ、そうね。
いいの、わかってる。
いや、
なにもわからない。

私のねじはとっくに外れた
なくしたってわかってるのに
いちいち探してしまう
暗闇の奥へと
沈んだ気分も性格も
いつまでも苦痛を
味わうべきなんだきっと私は
いつまでも悪人だったんだいつも
毎回感じてしまう
自分なんて邪魔なだけだというのに
いちいち足を引っ張る
友人を見るたび
夜空に見開くたび
夢に見るたび
えぇ、きっと。
どうも、余計ね。
いや、
何も見いだせない。

私には何もなかった
もらって捨てたのは私なのだろうか
自分は悪魔だ
親切心のかけらもない
気づかぬうちに独りよがり
私という障害を
他人に支えさせていたんだいつも
今宵も悪人だ私は
毎回ごめんなさい
私がどけば楽なのね
いちいち言ってるだけ
他人と話すたび
新月を探すたび
夢を消すたび
もう、いつか。
まだ耐えててね。
いや、
さようなら。

自分以外考えない
私に罰が下るのはいつですか
エピローグ
せめて最後に罰が下れば
なんて自分勝手