「ま、この話はもう終わろうか。せっかくの夏休みなのに、気分下がっちゃうわね」
「うん」
「じゃ、ここからが本題よ」
「え?」
課題の事じゃないよね?何か、違う事のように聞こえる。
「もうすぐ、誕生日よね」
「う、うん」
そう、私は夏休みに誕生日を迎える。
「その日、予定はある?」
「ないとは思う」
「じゃあ、午前中でもいいから予定を空けといて欲しい」
「うん」
「また、詳しいことは後で。さ、課題やろう」
「そうだね」
由姫ちゃんは毎年、誕生日を祝ってくれる。夏休みは長いし、その間に誕生日を迎えると皆に認知して貰えないんだよね。
友達が少ない私だからかもしれないけど……中々覚えて貰えない。て言うか、夏休み明けにわざわざ言ってくれる人がいない。忘れられるんだろうね。
小さい頃は、普通の日に皆は沢山お祝いされて、いいなって思ってた。
けど、今はそうとは大切な人に祝ってもらうだけでいいかな。

