「な、なななんでそうなるの!?!?」
「周りから見たらそうにしか見えないのよ」
「怖いんだけどっ」
「私は、気づかない穂乃の方が怖いわよ」
周りから見たらそう見えるって……嘘でしょ!?
怖い。とても怖い。
噂とか広がらないよね?
急に不安になってきた。
「……」
「穂乃」
手が震える。また、嫌な事を思い出しちゃう。
「……」
「穂乃、大丈夫」
震える私の手を由姫ちゃんが手を握ってくれた。
「由姫ちゃん……」
「ごめん、言葉足らずだったね。穂乃と親しい私から見たらって事ね。穂乃、楽しそうだから」
「楽しそう?」
「うん。あのクソみたいな体育祭のトラブルは別としてね」
ま、まぁ、あれはあれで……色々とあったね。
「あの女は穂乃にあんな事する以前に、中学の時からいい噂なかったらしいし。授業中に化粧とかしてて、先生に注意うけたら逆ギレしたんだって?うちのクラスにも話は来てるわよ」
「確かに、そんな事あったね……。入学して直後の授業だった気がする」
ちょっと、クレイジーだなって思ったけど、なんか言い分があって伝わらなくて、反抗したのかなって思ってた。
ただ、話しかけてくれたり、先頭に立ってくれたりできる所が凄くて、優しいと思ってたから、体育祭の件では衝撃を受けてしまった。

