「あ、きたきた」
「お邪魔しまーす」
由姫ちゃんのお母さん達は仕事かな?いつもなら、由姫ちゃんと一緒に出迎えてくれるから。
学生は夏休みでも、大人は仕事だもんね。大変だぁ。
安定の由姫ちゃんの部屋で課題を広げる。お喋りしながら、ゆっくり進めてくのが私達のルール。課題をやるのは嫌だから、小学生の時からこのルールは変わってない。
そうすると、あっとゆう間に日が暮れて、時々、由姫ちゃん家の夕食をただくこともあるんだ。
あ、でも今は凌がいるから、その前に帰るつもり。
「穂乃さ、最近明るくなったよね」
「え?」
「中学生の時とかって、周りともあんまり関わらなかったし、喋らなかったから。まぁ、私も人のこと言えないんだけどね」
言われてみれば、そうかも?
でも、ただそれって……
「周りに人が増えたからかも……」
「……人が増えた?」
「うん」
一瞬、由姫ちゃんは考えてたけど、納得した表情で私を見た。
「朝陽と天井か」
「うん、朝陽とはここ最近までほとんど話してこなかった。でも同じクラスだからかもしれないけど、話しかけてきてくれる」
「昔は遊んでたし、ライバルもできたからスイッチが入ったのかもね」
……スイッチ?
「凌は昔のよしみでって感じかな」
「まぁ、特別感を感じるけどね」
「特別感?」
「なんだろ、なんて言えばいいのか分からないけど、昔のよしみだけじゃない特別感って言えばいいのかな」
「な、なるほど?」
……一緒に住んでるからってことなのかな?
分かっちゃうものなのかな。

