「じゃあ、お母さんは掃除を再開するから、あとは2人でごゆっくりー!」
「え、おか……」
バタン
いや、丸投げしないでよ……。
「「……」」
取り敢えず、荷物を何とかしないとね……。
「部屋に荷物運ぶの手伝うね」
「ありがとう」
会話は何とかなりそう……多分。
「部屋は2階で、物置として使ってた部屋だから、まだ少し荷物あるけど……出来るだけ早く片付けるね」
「俺も手伝うから、指示して」
「う、ん。ありがとう」
「お礼するのは俺の方だよ。俺の我儘で住まわせてもらう事になったから、部屋まで用意してもらえて、凄くありがたい」
「そう言えば、どの辺に住んでたの?」
ふと疑問に思った。結構2人で遊んでた割には、どこに引っ越したのかも連絡先も、何も知らなかったから。
あ、でもお母さんは知ってたのかな?じゃないと今の状況にはならないよね。
「一応、県内だったんだ」
「あ、そうだったんだ」
勝手な想像で県外かと思ってた。もう、一生会うことはないんだろうなって、思い出す度に考えてた。
だからこそ、今の状況に思考が追いついてない。

