あー、ダメだ。嫌な事ばかり考えてしまう。
ちなみに、私は机にうつ伏せの状態だから、周りからは寝ていると思われていると思う。
話しかけられずらいから好都合なんだ。
まともに話せないと思う。
「.....乃」
憂鬱だ。
「穂乃」
あれ、なんか凌の声がする。
幻聴かな。
「穂乃」
ん?
いや、こえは幻聴なんかじゃない。
うつ伏せ状態から一気に起き上がった。
目の前には凌、本人がいた。
「えっななんで!?」
できるだけ小声で驚いた。
「お弁当、テーブルの上に忘れてたから、持ってきた。教室に人があまりいなくて良かったよ。渡しやすい」
確かに、カバンに入れた記憶が無い……。
凌は自分のカバンから私のお弁当を出して渡してくれた。
「ありがとうっ。お昼抜きはきついから助かった〜っ」
「うん。じゃあ、人が来ないうちに俺は自分のクラスに行くよ」
凌はそう言い残して、教室から出ていった。