「覚えてないのは当たり前だと思います。小学生の低学年以降は会ってないので」
え、私……この人と会ってるの?
「でも……何か申し訳ないわ。ごめんね凌君」
りょうくん?
……凌君。
天井 凌……君。
「えっ、あの凌!?!?」
「あ、思い出した?お久しぶりだね穂乃」
思い出した……。
小さい頃に住んでいたアパートに、凌も住んでいてよく遊んでた。
ただ、確か……小学3年生になる頃に凌が転校するとになったんだよね。
少し連絡をとっていたけど、時が過ぎていくうちにそれは無くなった。
なのに、その凌が今どうして私の家にいるの!?
「えー、お母さんの不倫相手じゃない事は分かった」
「当たり前よー!」
「分からないのが、その凌が何故ここにいるのかって事」
「あぁ、それは……」
「……それは?」
何か聞きたくないけど、聞かないといけない事だと察知した。

