「実は、今日のリレーの練習で脚を痛めちゃって……」


「今も痛む?」


「うん、歩いたりすると……」


「はぁ……よかった」


「え?」



凌が溜息を着いたものだから困惑した。


もしかして、怪我をした事に呆れてる?



「あ、怪我してよかったって意味じゃないよ」


「う、うん」



じゃあ、"よかった”は何の意味だろう。



「……泣いてたから、イジメでも受けたのかと思った」


「え、え!?ち、違うよ」


「うん」


「由姫ちゃんが優しくて泣いちゃったんだ……」


「……」


「ねぇ!引かないで!」


「あ、いや仲がいいんだなって」



絶対に引いたね。



「ま、なんかあったらさ、直ぐに俺に言って」


「うん、ありがとう」


「体育祭は出れるの?」


「……無理かな」


「先生達には言った?」


「明日、言うよ」


「階段は上がれる?」


「多分……」


「心配だから俺がおぶってあげる」


「ありがと……ってえぇ!?」


「あ、おんぶは嫌?お姫様抱っこの方がいい?」


「だだ大丈夫!自分で上がれるっ」


「それは残念」



残念!?