「やっと家だぁ」
リビングのソファに座った。脱力感が凄い。
開放的になって心が少し楽になった。家って最高だね。
「ちゃんと、じっとしとくのよ〜。悪化したら治るのも遅くなっちゃうんだから」
「うん」
テレビの電源をつけて、録画したドラマを再生した。
でも、ドラマには集中出来なかった。
体育祭の事で頭がいっぱい。
明日、走れない事を言い出すのは緊張する。体育祭で、特にリレーに気合いが入ってるのがビンビン伝わってきてたし。
私の代わりに走る人も決めなきゃいけないし。あ、でもそれは先生が決めてくれるかな?元々、先生が決めた事だし。
スムーズに物事が進めばいいんだけど、何か……何か嫌な予感がするんだよね。
胸騒ぎってやつかな。
「穂乃」
「りょ、凌……」
凌も学校から帰ってきた。
「学校で何かあった?」
「あ……うん」
「話して」
私が学校で泣いてたから、心配してくれてるのかな。