山井さん達が教室に戻っていくのを確認してから、私も歩き始めた。
「っ……」
まずい、かなり痛い。ゆっくり歩かないと、無理だ。
時間をかけて、保健室へと向かった。
「……まじかぁ」
出張中と看板がドアにかけられていた。
はぁ、ついてない……。
「篠宮?」
ビクンッ
突然、後ろから声をかけられてビックリした。
「朝陽……」
「保健室の前で何してんの?具合悪いの?」
「……あ、違う」
「……?」
男子もリレーの予行練習終わったのか。
今、朝陽に脚が痛い事を言ったら、迷惑かけちゃう。
「保健の先生に聞きたいことがあったけど、今日は出張みたいで」
「……そっか」
「うん、だから気にしないで」
「おう」
朝陽が行ったのを確認して、私は壁にもたれかかった。
「……はぁ」
どうしよ。多分、これじゃあ本番も走れない気がする。後1週間位で治る気もしない。
怪我した私は足手まといでしかない。

