ガチャン
「「あ」」
玄関で突っ立ってる私と、学校から帰ってきた凌がタイミング良く鉢合わせた。
「ただいま」
「お、おかえり」
「あ、お母さんは今ね、買い物に行ってていないよ」
「りょうかい」
よし、伝えたから部屋に戻ろっと。
「あ、穂乃」
「……ん?」
「なんかあった?」
「ど、どうしてそう思うの?」
「なんとなく」
「……確かに、モヤッとする事はあるけど」
「どんな事?」
「えっと……」
え、これって言っていいものなのかな。
でも、別に変な意味じゃないよね。
「言ってみて」
「……実は朝陽がね、俺は今も昔も変わってないって」
「……」
「私には、どんな意味で言ったのか分からなくて。何個か憶測は立てたんだけど、結局分からなくて」
「なるほどね」
「え、何か分かった?」
「宣戦布告だね」
「えっ宣戦布告!?」
何をどうして宣戦布告なの!?
「朝陽が言ったのはそのまんまの意味かな。まぁ、気にすることは無いよ今は。穂乃もそのうち分かると思うから」
「……そうなの?」
訳が分からなかった。
ぽんぽん
凌は私の頭に手を乗せた。
「っ……」
「穂乃はそのままでいい」
凌の言葉の意味も分からないけど、今は頭ポンポンされた事で頭がいっぱい。
凌って不意にこういうことするよね。
心臓に悪いって!!