「あ、そうだ。穂乃は体育祭で何の種目に出るの?」
「えっと、私は棒引きとリレーに出るよ」
「穂乃、走るの得意なんだ?」
「うーーん、なんと言うか……得意とは言えないかも……」
「……?そうなんだ。俺もリレー出るから、お互い頑張ろ」
「うん。あ、凌はリレーの他に何出るの?」
「あぁ、騎馬戦に出るよ」
あ、朝陽と同じだ。
「頑張って」
「ありがとう」
最近、成長したことがある。それは凌とはあまり緊張しないで会話が出来るようになった事。
多分、家での食事中限定で。学校では、周りの目があるから無理かな。
「ふふふっ青春ねぇー!」
「はい?」
お母さんがニコニコしている。
時々、お母さんはぶっ飛んだことを言ってくる。焦るからやめてほしい……。
まぁ、言いたいことは分かる。学生はそういったイベントが青春だからね。お母さんも懐かしいなって思い出したのかな?
「文化祭とかも楽しみ」
「穂乃ったら鈍感よねぇー」
「……え、どこが?」
「色々と勘違いしてる所よー。ね!凌君!!」
「え、あ、いや、俺に振らないでくださいよ……」
どういう事……?
そして、凌が動揺してるのはどうして……?