箸を持ってる側の腕を凌に掴まれて、少し前かがみになった。
えっええっどういう事!?腕掴まれてるって!!
「っ……」
凌の顔が近づいてきた。
パクッ
っ!?!?
「……美味しい。俺が食べた事は恵美さんに内緒ね?」
ニカッと笑う凌にドキッとした。
「……う、ん」
ドクンッドクンッドクンッ
心臓の音が……煩いよ。
何今の。現実で起きたこ事?……夢?
私が箸で掴んでたトマトを、凌が食べたよね?えぇ!?
「はーい!もっとおかわりしてねー!」
「ありがとうございます」
「あれ?穂乃ったら顔真っ赤にしてどうしたの?……あ!ちゃんとトマト食べたのねー!」
「げほっげほっっ」
お母さんが変な事を言うからむせてしまった。
確かに顔が火照ってるけど。
「ふっ……はい水」
凌が水をコップに注いでくれた。
「ありがとう。お母さん、私はトマト……た、たべれるよ」
……次はちゃんと自分で。
「ふーーん?じゃあ、毎日出しちゃおっかなぁ〜」
「あ、いやそれは勘弁してください」

