私に甘い天井君と思い出の写真






「穂乃ちゃんは、彼氏か好きな人はいるの?」


「あ、私は彼氏も好きな人もいないよ」


「穂乃ちゃんから告白されたら、男子はイチコロだね!」


「可愛いからね!」


「……ははっ」



あー、笑顔で誤魔化しちゃった。本当、癖になってるなぁ。受け答えはっきりしないといけないのに。


可愛いって単語さ、女子は好きだよね……。何でもかんでも付けたがるから、可愛いって言われても信用が出来なくなってる。


ていうか、私から告白された男子はイチコロどころか、その場で嘔吐すると思うけど。



「皆、好きな人が出来たら教えてね!梨加ちゃんは彼氏報告待ってる!」


「頑張ってみる〜!楽しみにしてて!」



“好きな人”か……。男子と話さなくなってからは、感情が分からなくなっちゃって、好きが分からない。


それと同時に、自分に好きな人が出来る事が怖いとも思ってる。


私は、好きな人が出来たらどんな気持ちになるのだろうか。


先の読めない恋愛は怖くてたまらない。先が読めたら楽なのにって思うけど、人生だって同じだから、生きているうちは何事も常にリスキーだ。


ただ言えるのは、“あの時”から私は自分自身が分からなくなっている。