「梨加ー、化学のノート貸してー」



朝陽が私たちの元へと来た。梨加ちゃんに用があったらしい。



「も〜、ちゃんと授業受けなきゃダメでしょ!」



梨加ちゃんが朝陽に怒ってる。



「昨日、遅くまでゲームやり過ぎた」


「はぁ、程々にね。はい」


「サンキュ」



この2人のやり取りは、昔から変わらないなぁ。微笑ましい。



「ねえねえ、梨加ちゃんって朝陽君とよく話してるけど、もしかして付き合ってるとか?」


「あ、違うよ〜!朝陽とは幼なじみなだけだよ」



なんだろ、梨加ちゃんが焦ってるのを久しぶりに見たかも。中学生の時とは違う捉え方をされたからかな?


中学の同級生は、幼なじみで腐れ縁って感じで皆が捉えてたし。



「えー!でも、いい感じに見えるー」


「うんうん!」


「も〜!変なこと言わないでよ〜」


「でも、いいなぁ、幼なじみ!穂乃ちゃんもそう思わない?」


「う、ん、憧れる!」



確かに、梨加ちゃんと朝陽は幼なじみだからこそ、理解し合ってるなって思う。


梨加ちゃんは、朝陽と話してる時だけは、本音というか気楽なのかなって感じる。しかも、梨加ちゃんが呼び捨てで呼んでるのは、朝陽だけだと思う。


朝陽も梨加ちゃんだけは呼び方が変わっていない。


信頼なのかなって思うよね。


私にも、由姫ちゃんという大好きな幼なじみがいるから、凄くわかる。