『てっきり県外に転校したのかと思ってたから、高校が一緒で驚いたわよ』
「確かに、その後は全然絡みなかったもんね」
『ま、久しぶりなんだし、話しかけてみれば?』
「なっ、えっ、えぇ!?」
由姫ちゃんから珍しいことを言われて、困惑してしまった。
『冗談よ』
「だ、よね」
『穂乃の性格じゃあ、気づいてもらうまで待ってそうだし』
「ははは」
図星です。自分からは話しかけられないんだよね。
『まぁ、そんな報告の電話。じゃあ、また』
「あっ!由姫ちゃん」
『ん?』
やばい、無意識に止めてしまった。
凌との事、言えないのがやっぱり……。
「あ、何でもない……。じゃあまた明日」
『うん』
通話が切れたのを確認して、私はベッドへダイブした。
「はぁーーーー」
まだ、入学式が終わっただけなのに、こんなにもハラハラするとは思わなかった。
明日からどうなっちゃうんだろう。