「ねえ、朝陽って」
ブーーーーブブーーーーー
着信音がなった。
「あ、由姫ちゃんからだ。出てくるね」
「うん」
私は、リビングを出て自分の部屋へと向かった。
「もしもし」
『あ穂乃、今大丈夫だった?』
「うん、大丈夫だよ」
『帰りに言い忘れてたんだけど、小学生の低学年の時に転校してった奴と、クラスが一緒だったよ』
凌の事だ。
「へ、へぇ」
『天井 凌って覚えてる?』
「あ、覚えてる」
『そいつが、今朝女子に騒がれてた天井だったのよ』
「そう、だったんだ」
そうだよ、結局さ凌に相談出来なかった……。話がそれちゃったんだ。
『なんか、穂乃変じゃない?』
「え?」
『おどおどしてる』
「あ、何と言うか……、凌とは昔、よく遊んでたから懐かしくて」
嘘はついてない。隠し事はあるけど……。
『確かにそうだったわね』
「由姫ちゃんは、凌とかとは遊ばなかったよね?」
『あぁ、鬼ごっことか外で遊ぶのが嫌いだったし』
そうだった。あの時はいつも……

