「いきなり穂乃の叫び声が聞こえたと思ったら、そういうことだったのね〜!」
お母さんはニヤニヤしている。そういうハプニングの話が好きだからねぇ。
私はやっと心拍数が落ち着いた所なのに。
「穂乃のビビりは昔からですね」
え?
「あら!何か面白い話でもあるの!?」
「ちょっ、お母さん……私聞きたくないんだけど」
小さい頃だから、何かにビビって泣き散らかしたに違いない。
「小学1年の時に穂乃と遊んでいて、ちょっと驚かそうとおもって、穂乃の顔の目の前に青虫を出したんですよ。そしたら、大泣きして……」
「あ!思い出したわ!凌君が大泣きしてる穂乃を家まで送ってくれたのよね!」
やっぱり……。
「あの時、俺は凄く焦っちゃって……。穂乃がなかなか泣き止まないんで」
「そうだったのね〜、ありがとね!」
「いえ」
いや、元の発端は凌なのよ。
確かに、あの時の事は微かに記憶に残ってる。
「これからも、どんどん思い出作ってね♡」
「はい」
「報告よろしく!」
「もちろんです」
何故この2人は話が合うのだろうか。

