「……寝てる?」
凌はソファーにもたれて寝ていた。制服を着たままだから、シワになっちゃう。モタモタせずに起こすことにした。
「凌おきて」
「……」
完全に熟睡してる…。私は凌の身体をゆさろうと、手を伸ばす。
パシっ
グイッ
ポスッ
凌に、腕を掴まれ、その腕を引っ張られてバランスを崩し、凌の胸にダイブした。
「ぎゃーーーーーーーーっ!!!」
突然の出来事に頭がパニックになり、大声で叫んでしまった。と同時に素早く凌から離れた。
凌はと言うと、耳を塞いでいた。
「……っビックリした」
それはこっちのセリフだ。
「ごめん、反射的に腕掴んじゃった。痛くない?」
「だ、いじょうぶ。私こそ、ごめん」
正直、まだ心臓がバクバクしてる。私が寝込みを襲ってるみたいになっちゃったし……。
ハプニングとはいえ、あんなに密着するとは思ってなかった。
「それで、俺に何か用があったんじゃない?」
「あ、お母さんがおやつ食べないかって……」
「それは食べる」