「由姫ちゃんとは離れちゃったね」
「うん」
「そのA組に凄くカッコイイ人がいるって噂になってるんだよね!梨加も早く拝見したいな〜。穂乃ちゃんはもうみた?」
……凌の事だ。
「うん、由姫ちゃんのクラスの前通ったし、人が集まってたから気になって」
「その、イケメン君も凄いけど、穂乃ちゃんも一緒なんだよね〜!」
「え?」
梨加ちゃんは廊下の方に指を差した。後を追うように視線を向けると、男子生徒ちがこちらを見ていた。
いつの間に?ていうかなんで?
視線は私達の方に向けられている。でも、それは私ではなく梨加ちゃんだ。昔から、凄くモテてたし、告白だって沢山されてた。
「梨加ちゃんが可愛いから、男子の集まり具合が凄いね」
「……穂乃ちゃんってやっぱり鈍感だね〜」
私が鈍感?梨加ちゃんは、私がモテてると思ってるのかな……。
梨加ちゃんの方が鈍感な気がする。

