ザワザワザワザワ
1年生の階に上がると、廊下が騒がしかった。
「何事?」
「どこかの教室の前だね」
「……最悪、A組なんだけど」
由姫ちゃんが面倒くさそうに呟いた。
でも、本当にこの騒ぎ用は何だろうか。
よく見ると、女の子しかいないことに気がついた。
近づいて聞き耳を立てると、聞こえてきたのは……
「あの人かっこよくない?」
「めっちゃかっこいい!」
「A組なのかな!?」
「聞きに行っちゃう!?」
イケメンがいるってこと?有名人とか?
女の子達の目線の先を見てみると、そこにはよく知ってる人物がいた。
「りょっ……」
っ危ない、口が滑るところだった。
「もしかして、この騒ぎの原因ってアイツ?」
「……多分そうかもね」
……誤魔化してるけど、確実にそうだね。
「なんか、アイツ知ってるようで知らないような……」
由姫ちゃんは眉間にシワを寄せて、目を細めている。
由姫ちゃん鋭い!

