私と凌は呆気にとられている。
「なにこの急展開」
「朝陽、梨加ちゃんのこと好きなの?」
「昔から一緒だとさ、可愛くて仕方がねえんだよ。……まぁ、その気持ちは最近分かったことだけどな」
「幸せにしてやれよ」
「凌に言われるとムカつくわ〜」
「なんでよ」
「まぁ、意識してくれるかは分からないけどな」
あの反応は、完全に朝陽のことを意識したと思うけどな。
顔真っ赤だったし。
「山井の言ったことに、あの返答は凄いよ」
「ま、それに気づけたのも、お前ら2人のおかげだよ。ありがとな」
そう言い残して、朝陽もどこかへ行ってしまった。
「「……」」
「凌、ありがとうね」
「それはこちらこそ」
なぜかお互いにお礼を言いあって、手を繋いで教室へと向かった。
だけど、午後の授業は始まっていて、教室に入るのはとても恥ずかしかった……。
梨加ちゃんと朝陽に後で聞いたら、2人も間に合わなかったらしい。
というか、チャイムが鳴ったのを4人して気づかなかったってことだね。