ドクンッドクンッ
心臓の鼓動がやたら大きく聞こえる。
なに?早く子供が出来そうって……、早く結婚しそうって……。
私、なんでこんな事を言われてるの?
分からないよ…………。
「あれ、穂乃どうしたの?」
「っ……由姫ちゃん」
私が教室の前にいる事が分かったクラスの女の子達は、慌てて違う話題に入った。
「どうかした?」
「ううん、大丈夫……」
「ならいいけど、顔色が悪いよ?」
あまり、正気を保ててはいなかった。
「……少し、貧血気味なのかも」
「じゃあ、保健室行った方がいいね。1人で行ける?」
「うん」
私は、何も考えることが出来なくて、無心の状態で保健室に行った。
保健室には保健の先生がいて、貧血気味だからと理由をつけて、少し休ませてもらった。
ベッドに横になって、目を瞑って寝ようと思った。
だけど、それは出来なくて、さっきの事が頭でいっぱいだった。