これが梨加ちゃんの本音。


私が、自分の気持ちに気づくのが遅かったから、嫌な思いさせてきたんだ。



「凌への気持ちは、今は梨加ちゃんには負けない」



だからこそ、私には梨加ちゃんと話し合うしかない。



「……いいの〜?また噂がたっても」


「噂?」



なんだろ、この胸騒ぎ。


私は噂がたつことが凄く嫌なんだけど、梨加ちゃんから言われると、嫌悪感がさらに増す。



「あの時の噂を作ったのは私だよ〜」


「…………え」



あの時…………あの時?


一気に蘇る記憶。



「何をそんなに驚いてるの〜?梨加、変なこと言ってないよ〜?」


「え……あの時の噂っ。梨加ちゃんが……?」


「そーーだよ〜。梨加の作戦にまんまと引っかかるなんて、バカだよね〜」



ダメだ……。


何も考えられないっ。


体が硬直したかのように動けないし、震えも止まらない。