「……穂乃ちゃんってずるいよね」
「ずるい……?」
「梨加ね、ずーーーっと前から嫉妬してるんだよ」
「ずっと前からって、どういうこと……?」
「梨加が好きになる人はさ、みーんな穂乃ちゃんの事が好きなの」
「わ、私は……」
「知ってるよ。穂乃ちゃんはそんな事全然気づいてないこと。鈍感だもんね〜」
「……」
何も言い返せなかった。
「それでさ、中学生に上がる前に静かになったと思ったら……」
周りと関わらなくなったことかな。
「で、また……まただよ!!なんで梨加が好きになった人はみんな穂乃ちゃんの事が好きなの!!!なんで、なんで私のことは見てくれないのっ!!」
それは凌のことだよね……。
「今度は一緒に暮らしてるって……梨加、許せないの」
梨加ちゃんは、今にも泣きそうな表情で、私を睨んでいる。
「だから、凌君を私にちょうだい。今まで、梨加が好きになった人を奪ってきたんだから」
「それは無理。私は本当に凌の事が好き。それに今まで私は奪ってなんかない」
告白もされてないし、知らなかったとしても、言い訳にしかならないよね。
「じゃあ、友達として譲って」
「ねえ、梨加ちゃん、どうしちゃったの……?今の梨加ちゃんは度が過ぎてると思う」
「……だって私、凌君のことが大好きなんだもん!梨加の方が、穂乃ちゃんが好きになる前から大好きなのにっ」

