その後も、梨加ちゃんは話しかけても浮かない顔だった。
いつもなら、梨加ちゃんから沢山声をかけてきてくれるのに、それが今日は一回もない。
キーンコーンカーンコーン
「っ梨加ちゃん」
お昼休みの休憩と同時に、梨加ちゃんに声をかけた。
「なに、穂乃ちゃん」
声のトーンが冷たい。
「今日、体調悪いの?大丈夫?」
「……穂乃ちゃんにそれ言われると、ムカつく」
「えっ」
私が言うと……?
私が梨加ちゃんに何かした?
「その、私は何も分かりませんって言う表情すら見たくもない」
周りにいるクラスメイト達が、私達の会話を聞いて動揺しているのが分かる。
「……ごめん。私、分からない」
「だろうね〜。穂乃ちゃんだもん」
「私、梨加ちゃんとはちゃんと話がしたい。今から、どこかで話そう」
ここでは目立ちすぎる。
「……いいけど、後悔しても知らないよ〜」
「大丈夫」
“後悔しても知らない"にどんな意味が込められているんだろうか。
怖いけど、梨加ちゃんとはこれからも仲良くいたい。

