「穂乃、先に出るね」
「うん」
「恵美さん行ってきます」
「行ってらっしゃ〜い!」
文化祭が終わって、色々あったけどいつもの日常に戻った。
変わったといえば、凌と私の関係かな。
まだ、少し実感がないけど、彼氏と彼女。
「あらあら〜穂乃ったら顔がニヤけてるわよ〜!」
「なっ、にやけてないよ」
……無意識だったのかも。
「凌君と穂乃のメイドと執事姿が見れて満足〜!一生の宝物!!!」
「大袈裟な」
写真を凌に頼んでいたらしい。私がメイド姿になる予想をしてたのか怖いよ。
裏の時の写真は1枚もないから仕方がないけど。
「大袈裟じゃないわよ〜!更に付き合っちゃうなんてもうお母さん一生の悔い無し!!」
お母さんは体をくねくねしながら嬉しそうにしている。
「お母さんからしたら計画通りなんじゃないの?」
「えっ〜そんなことないわよ〜!」
「ふーーーん」
嘘だね、なんとなくお母さんの企みが分かってきた。
練りに練って上手くいくようにしてたに違いない。
まぁ、考えても仕方がない。私のお母さんだし。
「じゃ、私も行ってきます」
「行ってらっしゃい!」