「迷惑かけてごめんなさい」



私はクラスメイトに深々と頭を下げた。


きっとみんな怒ってるし、許してくれるかも分からない。



「篠宮大丈夫だ」


「穂乃ちゃん!気にしないで〜」



朝陽、梨加ちゃん……。



「穂乃ちゃん、あれは仕方がないよ」


「逃げ出したくもなるよ」


「残りの時間頑張ろ?」



私が思っていた反応ではなくて、驚いた。



「ありがとうっ」


「穂乃ちゃん、このまま表でも大丈夫?」


「うん」



頑張ってみようと思えた。



「なぁ、篠宮」


「うん?」


「凌といい事でもあった?」


「えっ!?」



誤解が解けてよかった気持ちと、付き合う事になった事が重なって、惚気顔してるのかな!?



「その反応でもう分かった」



朝陽にはちゃんと言わないと。



「……凌と付き合うことになったよ」


「そっか、よかったな」


「うん」



なんだろ、朝陽に対して少し複雑な気持ちになってしまう。



「こら!そんな顔するな。篠宮が幸せなら俺は嬉しいよ」



大丈夫じゃないはずなのに、無理に笑って誤魔化しているのが分かる。


分かっちゃうよ、小さい頃から一緒なんだから。


でも、朝陽が背中を押してくれたから。



「ありがとう!」



精一杯の笑顔でお礼を言った。