自分の教室に入ると、少し慌ただしい感じがした。
私も手伝わないと。
もう、教室はいつものような風景では無い。皆が上手く工夫して喫茶店みたいになってる。
ピロン
凌からのメールだった。
(お弁当ありがとう)
わざわざお礼の連絡くれるのは凌らしいね。
「あっ!穂乃ちゃんおはよう!」
「おはよう」
山井さんに声をかけられた。
「早速なんだけど、野菜を切ってもらえる〜?」
「うん」
「ありがとう!」
そう言って、山井さんは他の子にも指示をしに行った。
玉ねぎのみじん切り……。大丈夫なはず、夏休みに凌と練習したし。
「お、篠宮おはよ」
「朝陽、おはよう」
「……包丁なんか持って大丈夫か?」
心配されてる……。
「大丈夫なはず!家で練習したし」
「それならいいけど、怖いわ」
「私も怖い」
「「……」」
2人して無言はキツイって。
「……無理じゃね?俺は篠宮がリンゴの皮むきで、指切ってた記憶しかないけど……」
「だ、大丈夫だって!少し前から凌と練習してたし」
「なら、大丈夫か」
そう言って、朝陽はどこかに行ってしまった。
なんで。

