学校に到着。
嫌な時に限ってあっという間に着いてしまう。
覚悟を決めるしかないね。
凌の教室に向かうにつれて緊張が……。
すると向かいから、由姫ちゃんが小走りしてきた。
「あっ、由姫ちゃんおはよう」
「穂乃、おはよ」
「あのさ……」
ここで、由姫ちゃんにお弁当を渡しちゃえばいいことだ。
「ごめん穂乃、今急いでて後でまた!」
「あ、うん」
ダメだった。
もう、教室の前に着いちゃったよ。
どうしよう。凌が教室にいるのは確認したから、あとは渡すだけ。
「どうした?」
ウロウロ廊下でしていると、凌が教室から出てきた。
「あっ、えっと……」
凌にお弁当を差し出した。
「……あ。あぁ!ありがとう」
「う、うん」
「婆ちゃんが届けに来てくれたのを、穂乃が受け取ってくれたのか!」
ちょっと大きめの声で教室の中に入っていった。
凌からのフォロー助かった。
やっぱり、教室内と廊下から視線を感じたから、良かった。

