「赤井澤か」
「お前、何でこんな所にいんの? 」
「それはこっちのセリフ。何か聞き覚えのある声がすると思ってたら喧嘩?しかも穂乃を巡って」
間違ってない……。
しかし、何故か赤井澤がキレてる。
「あぁ、そういや赤井澤の家は公園の目の前か」
あっそう言われてみれば……。
確か、穂乃が言ってたような。
「ここは喧嘩する場所じゃないんだから」
「赤井澤ごめん。でも、もう解決はしたから、穂乃の事は任せて欲しい」
「初めから任せてるわ」
「え」
「さ。早く帰りなよ。穂乃が心配するわよ」
「そうする」
……今は心配なんてしてくれてないんだろうけどね。
思い込みだけで悲しくなる。
でも、決めたよ。
「朝陽、ありがとう。これでやっと決心がついた」
「ふざけんな。ばーーーーか」
何年分かの詰まった“ばか"が何故か嬉しかった。