「必ず、俺が穂乃を幸せにする」
「……そんなの当たり前だ。じゃなきゃ俺が許さねぇ。はぁーーーーーーーー」
朝陽の長い溜息。
「どうした？」
「お前の気持ちを聞きに来ただけなのに、分かってたけどやっぱり勝ち目ないと思ったわ。俺じゃあ、篠宮を救えない。凌はすげえよ」
「自信なんてひとつもないよ」
「自信もった方がいい。高校生になってからの穂乃は、中学と違って明るくなった。戻って来てるんだよ」
俺は知らないから。どんな風に穂乃が変わったのかも、変わっているのかも。
知っていくしかない。
「だといいんだけど。俺は穂乃には弱いから、だいぶ落ち込む時だってある。今がだいぶ落ち込んでる所だよ」
「ふっ惚れた弱みかよ」
「そうだね」
「正直な奴」
朝陽には本当の事しか言えない。
「あんた達、こんな所で何やってるのよ」
気を抜いた所で、誰かに後ろから声をかけられた。
