ん?まて、何かおかしい。
「朝陽、何で俺が本田と付き合ってると思った?ただ、話すことが多くなっただけじゃそう思わなくない?」
朝陽だけじゃない、穂乃だってそうだ。
「話す事が多くなっただけでも、そう思う奴はいる。でも篠宮は、告白の現場を偶然聴いたらしい。どこまで何を聴いたのかは知らないけど」
あれか……。それが原因で穂乃が素っ気ないのか。
グイッ
朝陽に思いっきり胸ぐらを掴まれた。
「なっにすんっっ」
「ふざけんなっ!篠宮を泣かせるなよっ!!!なんで、何でお前なんだよ!!」
「朝陽、落ち着いて」
「落ち着けるかよ!俺はいつまで篠宮の悲しい顔を見なきゃいけねぇんだよ」
朝陽……。
そうだ、朝陽は穂乃の事をずっと……。
「俺が穂乃を笑顔にするよ」
「……それが今の状況か!?もっと穂乃を、悲しませてるだけじゃねえかよ!!」
これ以上悲しませたくない。
今の距離感もダメだ。

