そんな時、小学生の高学年辺りから、穂乃の母親の恵美さんから手紙が届いていた。
それは春夏秋冬の度に。それと何かの行事ごとにだった。毎年続き、送られてきた最後の手紙が今年の年明けだった。
全て俺宛に。
最初は何故そこは穂乃からではなく、恵美さんから?って思った。
意味が分からなかったが、俺は少し嬉しかった。
手紙とは“違うもの”も入っていたからだ。
……正直、これは穂乃は知らないと思う。そもそも、恵美さんが俺宛に手紙を書いていたことすら知らないだろう。
決め手は最後に貰った手紙。今までの事は穂乃には内緒と書いてあったからだ。
ちなみに、恵美さんへの手紙の返しは1度も送った事がない。
言葉にすると失礼かもしれないが、送らなくて良かったと思っている。何故なら、穂乃にバレる可能性があったからだ。
住ませてもらう事や、高校の話は中学3年生にスマートフォンを買ってもらった機会に、連絡するようになった。