私に甘い天井君と思い出の写真






凌は梨加ちゃんの事が好きなんだっ。


涙が溢れてきて、視界がぼやける。


「ぅ……」



今は頼りたい由姫ちゃんはいない。



パシッ



後ろから誰かに腕を掴まれた。



「っ篠宮」



声が朝陽だった。


泣いてるところなんて見せたくない。後ろは振り返れない。



「朝陽……ど、どうしたの?」


「何で泣いてんだよ」


「……泣いてなんか」


「泣いてんだろ」


「っ」



肩を掴まれ無理やり顔を合わせられた。



「泣いてる原因は凌か?」


「……違う」



何もしてない自分に腹が立っているだけ。



「あいつ」



朝陽には凌が関わってる事に勘づいている。



「なぁ、俺じゃダメか」


「え?」


「俺なら、篠宮を悲しい思いさせない」


「朝陽、急にどうしたの?」


「ずっと言えなかった。嫌われるのが怖くて」



私に嫌われる?



「……俺は、篠宮が好きだ」



え?



「わた、し……」



こんなの冗談で言う事じゃないし、朝陽に限って嘘なんかつくわけない。



「ごめん、今言うべきじゃなかった。でも、篠宮が悲しんでると、ほっとけないから」



なんで、こんな辛そうな顔するの……っ。



「ありがとう、でも私……」


「篠宮が凌を好きなのは知ってる。抵抗ぐらいするさ。やっと篠宮と前みたく話せるようになったから」


「朝陽……ごめん……」


「大丈夫、返事は分かってたから。だから、これからも普通に接してくると助かる」


「う、うん」



朝陽はどこかに行ってしまった。


…………告白されちゃった。