「……ちゃん?」
でも、このままだと、もっと凌は遠くに行ってしまう。
「穂乃ちゃん!」
「っ……梨加ちゃん」
梨加ちゃんが心配そうに私の顔を覗き込んでいた。
「だ、大丈夫?顔色悪いよ〜」
「だ、いじょうぶ。ちょっと考え事してて」
「ならいいんだけど……。無理しないでね〜?」
「うん、ありがとう」
「穂乃ー」
「由姫ちゃん、どうしたの?」
由姫ちゃんは私の教室には入らないで、廊下で待っている。
自分のクラス以外の教室に入るのって、戸惑うし違和感があるよね。
私も同じ事しちゃう。
私は由姫ちゃんの元へと駆け寄った。
「次、移動教室だからついでにと思って。今日の昼なんだけど、部活のミーティングが入っちゃってさ」
「りょうかい!」
「天井がお昼一緒にどう?って言ってたけど」
「えっ、あ、いや……遠慮しときます」
「あぁ毎日、一緒に食べてるもんね」
「なっ!ゆ、由姫ちゃん、からかわないでよ!」
キーンコーンカーンコーン
「あ、予鈴だ。じゃあ穂乃またね」
「う、うん」
由姫ちゃんってば、私のことをからかいに来ただけだ。あのニヤニヤした表情を見れば分かる。
それにしても、お昼休みどうしようかな。
……あ、図書室に行こう。いいのあったら借りてこようかな。

