私に甘い天井君と思い出の写真






「文化祭、もう少しだね〜!」


「準備も順調だし楽しみ!」


「本田ちゃんは誰かと回る予定あるの?」



自由時間のことかな?


今、私はこの会話には入ってない。梨加ちゃんとクラスメイトの子達が話しているのが聞こえてくるだけ。


私は本を読んでる。


聞き耳立ててるわけじゃないよ?近くで話してるから仕方ない……。


ほんと、隣で。



「私は今のところ誰とも……でも〜!好きな人とは回りたい!」


「「だよね〜!」」



……好き人。凌の事だ。



「だから〜、梨加頑張ろうと思う!」



えっ?



「誘うの!?」


「うん!」


「誰々!?教えて!」


「秘密〜!」


「えぇ!!」



梨加ちゃんは本気なんだ。



「好きな人は教えちゃったらつまんないもんね〜!そう思わない?穂乃ちゃん!」


「……えっ!?そ、そそうだね」



何で急に私に振ってきた!?



「それに、教えちゃってさ〜先越されちゃったら、困っちゃうしね〜!」


「告白はするの??」


「まぁ〜そのうちね?」


「「凄い!」」



告白……するんだ。そうだよね、好きだったら当たり前かっ。



「まぁ、本田ちゃんから告白されたら断る男はいないでしょ!」


「うんうん!」


「それは言い過ぎだって〜」



近いうちに、梨加ちゃんが凌に告白する。もしそれで、2人が付き合うことになったら……。



ズキッ



っ……。やだ、考えたくない。


じゃあどうする?


私も凌に告白する?


無理だっ。怖くて仕方がない。


今の関係がきっと壊れてしまう。