「その表情はまさか、天井の事を意識しすぎて避けてるとか?」


「……うん。でも、さっきはちゃんと話せたよ」


「はぁ、そのままだと梨加に先越されるよ」


「先越されるって……?」


「梨加は最初から自分のライバルも分かってると思うし、がんがん攻めてくと思うから」



それって、凌が梨加ちゃんの事を好きになるって事……?



「そんなの……」



嫌だっ。



「自分の気持ち分かってるなら、大丈夫。きっと天井にも伝わるよ」


「うんっ」


「私は全然心配はしてないよ」


「え?」


「何でもない。応援してる」


「う、ん。ありがとう」



由姫ちゃんの言ってることは理解出来た。夏祭りの時の梨加ちゃんは、攻めてたんだ。


だから私はあの時、嫌な気持ちになってしまったんだ。


自分には出来ない事だから、羨ましいとも思ったから。


完全に梨加ちゃんに対して、嫉妬をしてしまった事を再認識した。


このままだとダメなことは分かってるけど、気合いを入れても凌を避けてしまうのがオチ。


目を合わせられないんだよね……。