「夏祭りの時に凌と梨加ちゃんの距離がすごく近くて、凄く嫌だって思ったの。ていうか、凌と2人で来たのにって……」
「あら可愛い」
可愛いって……。なんか恥ずかしい。
「でね、梨加ちゃんって凌の事が好きなんだって気づいたの」
「梨加は天井と再開した時から目がハートだったからね」
ま、まじか。気が付かなかった……。どんどん気まづくなるよ。
「あの時、梨加ちゃんの気持ちに気づいて、その後に自分の気持ちにも気づいちゃった。私、凌の事が好きなんだって」
「やっと気づいたのね」
「やっとて、知ってたの!?」
「当たり前よ。幼なじみなんだから」
私が気づく前に知ってたってことか……。
自分よりも他人に先に気づかれるとかアホだ……。由姫ちゃんは幼なじみだけれども。
「梨加ちゃんと好きな人が同じで、気まずい」
「だからって弱気になったらだめよ。私は天井の事なんてなんとも思ってないから分からないけど、それだけ天井には魅力あるって事。ライバルは梨加だけじゃないし、身を引かない事」
「そう、だよね……」
そうなんだけど、複雑だな……。
弱気になる以前に、もうやらかしてる……。